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「…ったく。ふた姉は…」ぶつぶつとぼやいているのは、この物語のヒロイン、皐月。
皐月がぶつぶつとつぶやく理由はあるが、今は、気にしないで頂きたい。
「…荷物、邪魔な所に置いて、すいませんでした。」
「いや、いいんだよ。さっちゃん、帰り、気をつけるんだよ」
「はい。ありがとうございます。」
さっちゃん=皐月はにっこり笑って、お礼を言った。
「いやいや、こちらこそだよ。…ごめんね。荷物、持って行けなくて。」
皐月と話している中年男性は申しわけなさそうに言った。
「大丈夫ですよ。これも練習の一部になりますから。」
またにっこり笑って、中年男性の「ありがとうございました」の声を背中にして、自宅へ急いだ。
…重い荷物を背負って、自宅に帰る予定だった――――――。
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