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「山南さんっ、探し物の本、見つかってよかったですね。」
「…そうだね。平助、非番なのに、悪かったね。…ありがとう。」
山南から、ありがとうと言われ、照れる平助。
まるで、親子のような雰囲気である。
………?
頓所へあと少しの時、山南も平助も歩みを止めた。
「……山南さん…」
「……うむ…困りましたねぇ……」
山南の笑顔が先程より半分曇り、顎に手を添えて、考えている。
「……知らない者ですねぇ。……殺気ではないですし。」
「……しかし。油断は出来ません。」
キョロキョロしていた山南の視線が、寺の方に止まり、平助は歩き始めた。
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