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静雄が呼び止めると、女性は嫌そうな表情で彼を見た。彼女の表情を見て静雄は一瞬戸惑ったが、ハッキリと彼女に向かって言った。
「アンタ、大丈夫なのか?」
「――何が?」
「何がって、さっき俺の投げた自販機が直撃したから……」
静雄の言葉を聞いた彼女は、大きくため息をついた。そしてゆっくりと唇を開いた。
「貴方は馬鹿ですか?」
「なっ、んだと!!!!」
「ぷっ、アッハハハハハ!!!!確かにっ、シズちゃん馬鹿じゃないの?」
「その人の言う通りです。あんな物をぶつけられても、大丈夫だったから――――私は立っている。貴方達と今会話しているのも、大丈夫だからです」
「けどよ…………」
彼女の言葉を聞いても、静雄は納得がいかない様子だった。巻き込んでしまったのだから、せめて何かお詫びがしたいと。
「責任感じてるなら……一つお願いがあります」
「あぁ、そんなんで良いなら」
「シズちゃんだけ~?ズルイなぁ、俺も聞くよ」
静雄と臨也の二人は、何を言われるのかと身構えた。特に静雄は、自分が投げた自販機をあててしまった為、何を言われても聞こうと、強く思っていた。
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