1人が本棚に入れています
本棚に追加
~♪~♪~♪
パイプベッド以外家具や荷物のない生活感のない部屋に、無機質な携帯電話の着信音が響く。ケイジはベッドからのっそりと起き上がると、充電器に繋がって床に放り出されていたそれを取り上げた。この着信音はメールだ。それも、仲間以外からの。
「ん……なんだ、モバゲーからか……。ミニメ? 誰からだ?」
メールに表示されているURLを選択すると、無料携帯ゲームサイト「モバゲータウン」のマイページに飛ぶ。ミニメールの受信ボックスには未読メッセージが一件、入っていた。送信者は――
「じいや?」
覚えのない送信者名に、ケイジは首を捻る。だがあまり深くは考えずに、ケイジはメッセージを開いてみた。
送信者:じいや
本文:KG殿。貴殿はゲーム「怪盗ロワイヤル」において優秀な戦績をあげておられるので、是非わしの仲間になっていただきたい。詳しくは明日の零時、以下の場所にて説明いたす。よろしくの。
×××……
なんだ、これは? ケイジの頭の中にはたくさんのクエスチョンマークが浮かんでいた。確かに自分は「怪盗ロワイヤル」をプレイしてはいるが、力押しのバトルが災いして警察に仲間を捕らえられてしまうことも多々あり、決して優秀な戦績とは言えない、と思う。だがじいやといえば、確かこのゲームを始めたばかりの頃、案内役のような感じでゲームのイロハを教えてくれたキャラクターだったはずだ。そのキャラクターからミニメールが来るとは、どういうことなのだろう……。
ケイジは3秒だけ悩んだ。ここに示された場所へ行くべきか、行かざるべきか。だが彼は根っからの筋肉馬鹿であり、物事を深く考えるのは苦手だ。行ってみて、変な奴がいたらぶっ飛ばしてやりゃぁいい。そんな気持ちで、ケイジはそこへ向かうことに決めたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!