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「山崎さん……ありがとう…」
小さく呟く。
艶は山崎の瞳や態度から考えていることを読みとっていた。
山崎はありがとうの意味を理解し少しだけ抱きしめる腕に力を込めた。
(この子は一体…今までどんな生活をしてきたんや?)
「山崎さん」
山崎の腕の中から離れ艶は目を合わせた。
少し驚いた顔をしたのち悲しい顔をして山崎の頬に手を当てた。
「どうして…泣くの…?」
山崎の目からは涙があふれ出ていた。
それは山崎にもよくわからなかった。
でも。
涙は溢れた。
。
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