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翌朝―――
「うぅ~ん!!」
目覚め、背伸びをする。
こんなに清々しい朝を迎えたのは何年振りだろうか。
「よしっ!今日から一生懸命働くぞ!」
寝間着から着替えテキパキと布団を片付け襖を開け朝焼けの空
を見上げる。
毎朝見てきた空が今日はいつもより輝いて見えた。
「源さんっ!おはようございます」
「あぁ艶ちゃん。おはよう。昨日は見苦しいものを見せてしまったね。」
「いえ!大丈夫です」
元気に朝の挨拶をすませ調理にとりかかる。
「卵焼き焼いてくれるかい?」
「はい!」
卵を割り菜箸でかき混ぜくるくると器用にまいていく。
真っ黄色の卵焼きが何とも言えない甘い香りと湯気をあげる。
「艶ちゃんは本当に料理が上手だなぁ。こんなに綺麗な卵焼きは見たことがないよ」
井上は感心して何度も頷く。
「ありがとうございます!初めてです…褒めてもらえたの。」
照れて少し赤くなった頬にはにかんだ笑みを浮かべた。
。
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