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お味噌汁を作り、お漬物を切って魚を焼く。
ご飯は井上が炊いてくれている。
美味しい朝の香りがする中…
バタバタバタバタ…ッ
勢いのある足音が台所に向かってきた。
―――原田さん?
「つ、つつ、つ、艶ちゃん!おお、お、お、おはよう!」
「おはようございます!」
艶はクスッと笑って振り向いた。
「艶ちゃん…昨日はごめん!!」
勢いよく頭を下げる。
艶は驚くと慌ててしゃがみこみ原田の顔を覗き肩に手をかけた。
「原田さん!頭を上げて下さい。」
「いや!そういう訳にはいかない!本当にごめん!許してくれるまで絶対に頭をあげる訳にはいかないよ!」
「原田さん!許すも何も私怒ってなんかいませんよ!」
「本当……?」
ゆっくり顔をあげると艶がニコニコと優しい笑顔でゆっくり頷いている。
「本当です。」
「だって、艶ちゃんはすごく怒っててもう俺の顔なんて見たくない…って…」
「えぇぇ?誰がそんなこと?少しも怒ってないし、原田さんの笑った顔は毎日みたいですよ?」
「……騙された……。」
これは山崎が昨日のお仕置きに原田に噴いたウソだった。
。
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