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朝食の後片付けも終わり台所でほっと一息ついていると見慣れない男が入ってきた。
「おはようございます。」
「???…お…はようございます…」
「あなたが艶さんですか?初めまして。総長を任されております山南敬介と申します。」
艶は山南の総長という肩書に驚いて慌てて立った。
「すみません!初めまして。昨日よりお世話になっております。艶です。どうぞよろしくお願いします。」
頭を深く下げたまま一気に自己紹介をした。
「嫌だなぁ…艶さん。頭をあげて下さい。」
山南はそっと艶の肩に手を当てた。
ゆっくり顔をあげるとそこにはなんとも温厚そうで優しい顔をした山南がニコニコとほほ笑んでいた。
「昨日は歓迎会に参加できず申し訳ない。江戸へ行っていてね。先ほど着いたんですよ。」
「それはお疲れ様でございます。朝食ご用意致しますか?」
「いやいやいいんだよ。お茶を一杯だけ頂けるかな?」
「はい。ではお部屋まで持ち致しますね?」
「ここでいいですよ。あなたも朝食の片付けでお疲れでしょう。」
そう言うと山南は笑顔を崩さず腰を下ろした。
「どうぞ。」
お茶に茶菓子を添えて山南の前に出した。
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