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「これは茶菓子まで。ありがとう頂きます。」
山南はとても穏やかでその周りは時間がゆっくり流れるような屯所にいる他の者達とは違う雰囲気を醸し出していた。
「艶さんは本当に可愛らしい人だ。近藤さんが終始ご機嫌なのも頷ける。」
「近藤さんにはまだ来たばかりだというのにとても良くしてい頂いてます。…土方さんには…あまり…ですが…」
艶は苦笑いをして山南の方を見た。
「はははっ!土方さんは近藤さんを艶さんにとられて寂しいんでしょう。」
「えっ…?」
山南はお茶を飲み干すと茶菓子を袂に入れて
「ご馳走様でした。茶菓子は部屋で頂きます。これからよろしくお願いしますね。」
スッと立ち上がり部屋へと戻って行った。
―――山南さん。なんて素敵な人なんだろう。あんなに優しさを滲み出してる人なんて初めて見た……。
山南の背中を見つめ艶は初めて出会う人柄に心暖かくなった。
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