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四人の幹部と、その舎弟は話しを聞いてどよめいた。
暴力団においての縄張り争いは、時に事件になり組の存続にも繋がるが、あくまでもそれは大きな組同士の話しである。
弱小の組が成り上がるなど、余程の資金源を得ない限りは不可能なのだ。
だが現実に、それが起きていると言う噂。
だからこそ、一同はどよめいた。
「それ、どっからの噂だ」
「取り合えず、関東圏のいくつかの組らしいというのが。傘下の組からの情報だ」
「ひとつの組じゃないのか?」
「あぁ、どうやらそのようだ」
都内では無く、都内近県の弱小暴力団が勢力を伸ばしてるとすれば、最終目標は都内へと勢力を伸ばす事。
もしその暴力団が個々では無く、各県で手を組んで都内に攻め込んだら。
「都内の俺らに、逃げ場はねぇな」
無論、関東各県に翔竜会系の暴力団も存在し、都内以外の勢力のバランスを保っているのだ。
だが噂が本当なら、バランスが崩れる可能性が生じる。
「噂は、それだけじゃねぇ」
ある幹部が、口を挟んだ。
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