♯4 アンダーグラウンド

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   それまでの話しには加わらず、色の薄いサングラスの中で目を閉じていた男。  任倭会 若頭筆頭。  渡辺 蓮次。  ヤクザ映画の中でも、イタリアブランドの縦縞のスーツに身を包んだ、インテリ風の男がいるが蓮次の風体がそれである。  一見すると、ヤクザと言うよりマフィアだ。  それ故、何か凄みがある。 「ナベ、別の噂って何だ」  蓮次を「ナベ」と呼んだのは、幹部の中でも最高齢の五十代の男だった。  組に古くからいて、蓮次よりも年長者だからの口のきき方だが、組での立場は蓮次の方が上だ。  ちなみに、蓮次は三十代前半である。 「近県の弱小組だが、勢力を伸ばす組もあるが潰されている組もある」 「何だと?」 「それは、勢力を伸ばしている組に潰されたと言うのか?」 「いや、そうでも無いらしい」 「どう言う事だ?」 「分からん。組関係とは別のやつらに、潰されたと言う話しもある」 「何だと?」  蓮次以外の幹部と舎弟達が、驚愕の表情を浮かべ言葉を失う。  暴力団が素人に潰された。
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