♯1 シックス センス

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   歌津美以外のプレイヤーが、気付いていて敢えて口にしなかった事を、惚けた顔で口にする。  本気で今、気が付いたのか。  気まぐれで、口にしたのか。  ともかく、六つの選択肢を一通り全部見て、当面の行き先を確認してメモを取った。  NPC。  略さずに言うと、ノンプレイヤーキャラクター。  一概には言えないが、任意に設定された場所に固定されたキャラクターで、主人公が語りかけると決められた台詞を話す。  それが必ずしも、ゲームの進行に繋がるモノとは限らない。 「六つの選択肢は、必ずしも全部が重要じゃないんだね」  集落内を巡る為の選択肢は、全てが何度でも選択可能。  【Sixth Sense】の説明にあった六つの選択肢は、恐らく一度だけしか選択が出来ないのだろう。 「取り合えず初期装備は仕方ないけど、レベルを上げないで進むのは怖いなぁ」  方針が決まった歌津美は、ベッドに接した壁に寄り掛かり両手で携帯を持つと、主人公を集落の外へと移動させた。
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