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「良かったら店内もご覧下さいね」
フラリと目に止まった服を見ていたら店員に話しかけられた。
軽く会釈して中に入った。
ディスプレイされていた洋服も好きなタイプだ。
店内から流れる音楽と店員とお客さんの楽しそうな声に、昨日とは違う気持ちで聞いていられる。
気になったイエローホワイトのチュニックを手にとった。
裾と襟に控えめについたレースが可愛らしい。
「着てみられますか？」
「いいえ」
思わず苦笑いが出る。
好きなデザインでも、着るとなると似合う似合わないが問題だ。
例え着てみても本当かどうかも分からない言葉に踊らされて。
でも、誉められたら人間はやっぱり嬉しくて、ありがとうってなるんだ。
「じゃあこれいいですか？」
新しく手に取った黒のワンピース。
ロング丈で刺繍や飾りがあって華やかだ。黒なら上着も合わせやすい。
「かしこまりました」
店員さんに渡して試着室に案内された。
ワンピースだからすぐに着替え終わったが、鏡がない。
外に出ないとどんなものか見られないとはしっかりしている。
カーテンを開けて外に出た。
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