9

4/19
前へ
/395ページ
次へ
「ど、どうしたの?」 「どうしたのじゃないわよ! あいつよあいつ! 榊原翼よ。あの自信はどこからくるわけ? しかも初対面の私の前で"結華"って何? いかにも俺のですみたいな言い方してムカつくわ!」 一気に言われて追い付かない。 私も榊原翼の最初の印象は良くはなかったけど、梓がここまで思うとは思わなかった。 「結華の協力も応援もしたいけど、あいつねー。今更だけど坂井君にしとかない?」 「ダメに決まってるでしょ」 「……結華が中々認めたくなかったのが、なんとなくわかった」 「理解してくれてありがとう。梓がいきなりバトルすると思わなかったからビックリしたよ」 「……するつもりはなかったわよ。ただ、ちょっとカマかけたら上手くかわされたからカチンときて」 それで悪目立ちするほうの身にもなって欲しい。 「せっかく杏さんと泉さんに会えたのにろくに挨拶出来なかった。なんか言ってた?」 「ううん。今度四人で飲みに行こうって計画してたよ」 「マジで!? あ、ふたりに私の連絡先教えておいていいから。連絡待ってますって伝えて」 「わかった」 榊原翼の義姉の杏さん。先生と言いつつ、口がまわる泉さん。言いたいことはとにかく言う梓。 この三人が一緒になったらある意味、最強かもしれない。
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2834人が本棚に入れています
本棚に追加