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「なんか面白そうね」 「人それぞれ違うからね。結華もおいで。結華に似合う靴やバッグとか服の形とかも教えてあげる」 「そんなことも分かるの?」 「だから、初めて会ったときに黒は止めとけって言ったんだ」 「似合ってないって言ったわ」 「……似たようなもんだろう」 「気分が全然違うの」 あの時に買わされたようなワンピースは、結局一度も着ていない。 「黒よりもピンクがいいと思ったし似合うと思う。前にも言ったけど、似合う色と好きな色は違うからな。顔がくすんで見えたりしてもいいなら黒や緑が、結華にはオススメ」 「……ピンクなんてこの歳で着れないし」 「俺が選んでやるよ。その人のベストカラーはいくら歳をとろうが関係ない。いくつになっても顔色は冴えるし変わることはないんだよ。それがその人の持っているものなんだよ」 流石はプロだ。 私の知らない世界。 自分に似合う色か。 興味は、ある。 「これから結婚式のドレスとかここぞというときにいいよ。着物は柄や色も大事だしな」 成人式はとっくに終わってしまったから、ドレスや着物選びの参考としては凄くいい。 「診断料金は?」 「来てくれるの?」 「……料金次第よ」 「一万五千円」 「高い」 興味もわいたし見てもらいたいけど、ちょっと厳しいかな。
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