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「いきなり何よ?」 「年下ならオススメ物件があるから」 ニッコリと言われて一瞬、固まる。 会ってから、どこか大人びた表情をたまに見せるけどやっぱり高校生なのは変わらなくて。 弟みたいだとしか思ってなかったから驚いた。 「年離れすぎよ」 「俺は気にしないよ?」 「……私はするの。もっと可愛いくて若い子が月斗の周りにいるじゃない」 「ダメ?」 「ダメ。未成年に手は出せないし」 「俺がハタチになったら結華ちゃん三十路前じゃん」 若者ならではの発言に胸にグサグサくる。 「俺だったらずっと結華ちゃんの傍にいられるよ。よっぽどのことがない限りはね」 「年齢的にそうよね」 「まぁね。でも結華ちゃんは俺のこと知らないじゃん? 俺もあのお兄さんもスタートラインは似たようなもんだと思う」 なんでいきなり彼が出てくるんだろう。 「結華ちゃんが意識してるか分かんないけどさ。あのお兄さんの名前。たまたまかもしんないけど俺の前では一度も言ってなかったから」 疑問が顔に出たらしい。 「お兄さんは何度も言ってた。今日に限っては結華ちゃん顔すら見ないし」 月斗の前だけじゃなくて、まだ一度も呼んだ事がない。 親しいかどうか微妙な人の名前を読んでいいか悩んでいたら、タイミングを外しまくった。 実際、和希の名前を呼ぶのもまだ慣れなくて恥ずかしさを感じるぐらい。
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