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「お疲れ様、乾杯」 ガチャンと音がしたあとに喉に流し込む。 「うまい!」 美味しそうに飲む姿に少しだけ気が緩む。 「ありがとね。いきなりだったのに付き合ってくれて」 「いーよ。いつも俺からだし。嬉しかったよ」 思わぬ発言に坂井君を見ると、普通にお通しを食べていた。 梓に坂井君を推されつつある中で、ちょっとだけドキッとした。 とりあえず適当に頼み、部長の八つ当たりの話しも含め、日頃の愚痴を吐きまくった。 「で、何があったんだ?」 そんな中で、鋭く切り出され一気に失礼男のことを思い出した。 「……」 「言いたくないならいいよ。飲みには付き合うしさ」 思い出していたら坂井君にいらぬ心配をかけてしまった。 「今日休みだったから気晴らしに買い物に行って、試着したのを知らない男に似合わないって言われた」 簡潔に今日あったことを伝えた。 「それは災難だったな」 「しかも、女連れのくせに私に買うの止めたらって言ってくるし最悪よ」 「それ買ったの?」 「買わなかったら言われた通りしたみたいで嫌じゃない」 「神白らしいな」 坂井君は私の荷物をチラッと見てから私に微笑んだ。 「それじゃ、今度はそれ着てこいよ。似合わないって言われたお前の隣を俺が歩いてやるよ」
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