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｢俺も結華にそこまで想われたいなぁ｣
抱き締める腕はそのまま。
頭を翼の肩にコツンと乗せた。
｢ふざけないでよ｣
｢悪い。だって、結華が俺に甘えてくるの初めてだから、なんか嬉しくて｣
｢嬉しいの？｣
｢好きな人に頼りにされないのは、男としては寂しいもんだよ｣
そう言えば、今まで付き合ってきた歴代彼氏に本当に甘えたことはなかった気がする。
｢だから、いっぱい甘えてきて。ワガママも言って｣
｢……努力します｣
｢あ、甘えるのは俺限定ね。他の奴には絶対なしで｣
｢……信用されてない？｣
｢まさか。結華の可愛いところは俺だけ知ってればいいだろ｣
笑顔を崩さずに言われ、若干呆れた。
｢好きな人のことを気にかけるのは、誰よりも想っているから。結華には結華の思いやりがあるし、今回はその人の方が少し気づいたのが早かっただけ｣
せっかく引っ込んだものがまた溢れてくる。
｢それに、気づいたからって何もしなかったらなんの意味もない。だから、結華は自分らしく相模さんと向かい合えばいい｣
顔を肩にくっ付けたままで良かった。
背中にある大きな手が、揺らぎそうになる私の心を支えてくれる。
｢結華が罪悪感を感じる必要はないよ｣
ﾞ俺の前じゃ泣けないでしょう？ﾞ
うん。
弱さもワガママも強がりも受け止めてくれる、翼じゃないと、私がダメだ。
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