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「そう? その時はお願いするよ」 坂井君は優しくて誰に対しても裏表がない。同性からは信頼があり、女性からはさりげない優しさやたまに感じる男らしさが良いらしい。 「喜んで」 そう言えば、梓情報によると後輩からの人気が凄いらしい。 なんでと聞いた時、男らしさと笑顔が堪らないとのこと。 「そういや、相模に飲みに誘われたけどいつ行くんだ?」 そう言えば梓から連絡あってティータイムを台無しにされたな。 「どうせ梓が思いつきで言っただけだよ。行くときは連絡するね」 「ああ。なんか今更な気がするな」 「なにが?」 「神白の連絡先知らなかったの。お前あんまり会社の人間に教えてないだろ」 「会社で言えばいいじゃない。ほぼ毎日会うんだから」 社交辞令のようにアドレスを教えるのは好きじゃない。交換してもろくに連絡しないなら必要ない。 「……まあ、そうだな」 なんだか嬉しいような困ったような複雑な表情。 「坂井君?」 「神白はさ」 あんまり見ない真剣な顔。 「もし自分じゃどうしようもないって時は誰が一番に思い浮かぶ?」 つまり、助けて欲しい時? 私は…… 「梓、かな」 誰よりも私をわかってくれて、まるで姉のように世話をやくお節介だけど大切な親友だ。 「残念。俺じゃないんだな」 「え、あぁいや」 真面目に答えてしまった。だって、あまりにも真剣に聞くもんだから。 ここは坂井君の顔を立てておくべきだったか。
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