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あれからずっと、消化出来ずにモヤモヤしたものが渦巻いてスッキリしない。
中野君の気持ちも分からなくはない。
正直、翼という存在がいなければ恋愛や結婚に対してはどちらかと言えば否定的だった。
ひとりが楽。
これからもそうなのかなって漠然と考えてはいたけど、中野君のような本当に誰かを想っての片思いはしたことがない。
ただ、その人の幸せを願うこと。
簡単なようで実は凄く深い感情なんじゃないだろうか。
自分も幸せでいるから、あなたも幸せになって欲しい。
これなら誰でもそう思うかもしれない。
自分より相手の幸せを願うなんて、私は考えたことがなかったから。
翼の存在にどれだけ感謝しても足りない。
あまのじゃくで可愛いげがない私を見て、思いを伝えてくれた。
翼だけじゃなくて、和希の告白も戸惑いはしたものの嬉しかった。
今度こそ、大切な人達に思いを返していかないといけない。
中野君に強気に言ってしまったけど、以前の私なら同じように想いはきっと伝えない。
中野君は相手を想って想いを告げないと言った。
以前の私は自分が傷つきたくないから相手を口実に逃げていただけ。
この短い間で感じたのは、意外に頑固で、でも繊細な神経の持ち主だということ。
そして何より、不器用で真っ直ぐな人。
皆、素直じゃないよね。
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