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「女嫌いのクセに仕事中は愛想笑いなんてするから女は寄ってくるし、それなのに結華には全く正反対に接しているの見て、私って中野君の中ではどういう女なんだろうって思うようになった」
梓なりに妬きもちというのが少しずつ、大きくなっていっていたんだ。
「中野君は中野君で、私が羨ましかったんじゃない?」
「どうして?」
「私はずっと梓と一緒にいたじゃない」
これからも離れるつもりはこれっぽっちもない。
「梓はもう少し中野君と話してみたらいい」
きっかけは最悪だけど、私でも中野君の心の一部に触れることが出来たから。
梓も中野君も向き合えば、今とは違う関係を築けていける。
「……うん。そうする。私は見てるだけ、だったから」
小さな決意をする梓。
中野君には絶対に内緒。
彼のことで小さなことでも頑張ろうとする梓を、教えてなんかやらない。
「ちょっとずつでいいんだよ。今度は四人で飲みに行こうよ」
私からこんな提案が出来るなんて考えられなかった。
「うん。そう言えば、中野君と飲みに行ったの入社以来かも」
「全然参加しないからね。案外、お酒弱かったりするのかな」
入社当時は上司にお酌や周りの人達に馴染むので精一杯で、他のことに手がまわらなかった。
おかげで、和希や中野君の存在も遅れて知り同じ部署の人達に驚かれたぐらいだ。
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