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お昼休みに梓と一緒に昼食を取り、昨日の出来事を話した。
「……笑いすぎ」
何が面白いかわからない。
「いや~正直者だなぁと思ってね」
「正直を通り越して失礼すぎでしょ!?」
榊原翼。
顔は良かったけど口が悪い。
「連絡先書いてあったんでしょ? 文句のひとつでもないわけ?」
有りすぎる。
だからってアイツの思い通りになるのは嫌。
連絡先と名前以外は何も知らない。
会いたくないけど文句は言ってやりたい。
「榊原翼、か」
「知ってんの?」
「知らない。けど、なんかで聞いたことはある」
情報通の梓にしては珍しいことに曖昧な答えだ。
「妙な意地張らないでさっさと連絡しなさいよ。そうすれば早く分かるじゃない」
梓の言うことは最もだけど、私からしたら気まずい。
「でも悪い人ではないでしょ。あんたに似合うものを選んでくれたんだから」
「初対面の人間にそんなことする?」
店員ではなかった。
もし、同性に言われたら参考にしていたかもしれない。アイツのはケンカ売っているようにしか思えない。
「違うお店のショップ店員で思わずってところじゃない?」
まあ、それが一番無難な推測だ。
「私は会ってみたいな。顔は良かったんでしょう?」
一応頷く。
「梓代わりに会ってきてよ」
会ってみたいなら問題ない。代わりに言ってほしい。
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