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「イヤ」 「なんでよ!?」 「面倒。言うのはあんたの仕事なんだから私が行っても意味ないわよ」 てっきり、張り切って行ってくれるかと思った。 「まぁ頑張りな。上手くいったらちゃんと紹介しなさいよ」 どう上手くいって紹介までになるんだろう。 梓はちゃっかり、ごちそうさまといつの間にか完食していた。 時計を見るとあまりゆっくりしていられない。慌てて喉に流し込んだ。 「私としてはなんでそんなに会いたくないのか分かんない」 「……ムカつかない?」 「んー確かにムカつくけど、私だったらスッキリさせるために、さっさと会って殴るなり蹴るなり暴言吐いてくると思う」 恐ろしく梓らしい。 「だから早く会えってこと」 「考えとく」 溜め息をついて、ふと喫煙所を見ると坂井君と他の人達が数人集まっていた。 坂井君と目があってしまい軽く手を振ると、タバコの灰を落として軽く手をふりかえした。 「坂井君は相変わらず爽やかね」 同期なのに姉のような感じがする梓に、私は敵わないなとつくづく思う。 「昨日、坂井君なんか変な感じしたな」 「あの坂井君が?」 「急に真剣な顔して、私がどうしようもないときは誰を一番に思い浮かぶって聞かれて」 「で?」 急かされ、梓の目が輝いた気がした。 「梓って答えた」 「……バカじゃないの?」
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