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「だからって、そんな言い方酷くない? せっかく助けたのに」
「下心が見え見えだったからじゃない? 遊び人だったんでしょ」
ウワサだけ聞いていたら、私も嫌だったかも。
でも、さすがにあそこまでは言わないな。
「……それは否定しないけど」
「それで、その人がなんなの?」
「……ムカついて、何か言ってやろうと思って探したんだ」
なんだか酔っぱらいに付き合ってる気分だ。
「ひとつ年上で、結構人気もあったからすぐに分かったんだ」
「話したの?」
「会った瞬間、凄い嫌な顔されてシカトされた」
ここまで来たらもう、笑うしかない。
「うわー傷つくんだけど」
「私、その人の性格好きかも」
遊び人な軽い男がキライだったのか、嵐さん自身に問題があったのか。
そこまで嫌う理由はともかく、その人のバッサリした感じは好感が持てる。
「女にそこまでされたの初めてで、なんとかまともに話せないかって」
「……付きまとったの?」
「違う。友達に協力してもらって合コンセッティングしたんだ」
それもどうかと思う。
「それでも全然話せないし顔も目も合わせない。笑ってもくれなかった」
ムカつくとか言っても、簡単に言えば。
「好きなんだ。その人のこと」
「っいや、違う!」
今度は嵐さんのほうが顔が真っ赤になった。
説得力が全くない。
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