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「今なら言える?」 私から見れば、見栄をはっているようにしか見えない。 「……まだ、その時じゃない」 決めるのは本人だから、私が何を言ったってムダだけど。 「和希と中野君はそれに関係してる?」 嵐さんが小さく反応した。 想いを告げないのも嵐さんが選ぶなら、それでいい。 でも、和希達に心配や嫌な思いをさせるのは私がイヤ。 「色々話してくれてありがとう。でも、私は和希達とは同期であり大事な友人なの」 今日一日で嵐さんの心に少しずつ触れられたと思う。 嵐さんがその人をどれだけ想っているのかも分かった。 「あのふたりに、私は今まで助けられてきたんだ。例えば、嵐さんと和希達を比べる時は和希達を優先しちゃうしね」 「今日は?」 「視察、かな?」 まだ、嵐さんの目的が見えない。 「たくましいな」 「そうでもないよ。私は弱い。和希達や親友、恋人の存在がなければ、私は何もしない、何も出来ずに泣いてるウザイ女だよ」 肩をすくめて笑って言えば、嵐さんの表情が変わった。 「……ユイカちゃんは一瞬で敗北を味わったことがある?」 「……今のところ、ない」 「半端ないよ、ダメージ」 また、苦しそう。
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