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想いの強さと比例するなにか。
きっと、これが嵐さんのもうひとつの思い。
そして、目的。
「初めて会ってから半年は、ろくに顔も合わせなかった。誤解を解いて一年はチャラ男としか見られなくて、話すようになった二年目は弟扱いだった」
よほどウワサの印象が強かったらしい。
まぁそれを裏切らない嵐さんの容姿や言動はあるけど。
「それでも、少しでもそばに居られるなら良かった。年下は眼中にない感じを変えて、俺を認めさせたかった」
「……想像でしかないけど、その人は嵐さんのことちゃんと見てたと思うよ?」
「ユイカちゃん今までちゃんと聞いてた?」
若干、呆れた感じ。
聞いてるからそう感じたのに。
「聞いてました!」
ムスッとして言い返せば、苦笑いを返された。
「慰めはいーよ」
「なんで嵐さんを慰めないといけないのよ。そんな面倒なことわざわざしない。思ったから言ったの。嵐さんこそちゃんと聞いてる?」
「……はい」
「最初はウワサのせいだったかもしれない。でも、分かってもらおうとしたんでしょ? その人、キライと思ったら距離を縮めるタイプではなさそうだし、嵐さんを見て認める部分もちゃんとあったと思う」
「……それは」
「それに、一番ツラいのは嫌われることじゃない。関心すら持ってもらえないことだよ」
想うこと、想われること。
たまにしんどく感じてしまうけど、そう思うのはやっぱり好きだから。
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