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このまま話しているわけにもいかない。
｢分かった。また連絡する｣
和希に携帯を渡すと、少し話してから席に戻ってきた。
｢和希、嵐さんの番号後で送って｣
｢会うつもりか？｣
｢うん。ただ｣
相談は必要だ。
｢私も行こうか？｣
｢んー大丈夫。その時はお願いするから｣
｢分かった｣
私の隣から何も言わない代わりに、表情が語っている。
突き刺さる視線が痛い。
｢……顔が怖いよ、和希｣
｢俺も行く｣
｢嵐さんに聞いてみて｣
口調からは何か掴んだみたいに感じたから、嵐さん次第では一緒にいてもいいと思う。
｢いいの、結華？｣
｢……分からない｣
和希が嵐さんに会うことは全然問題じゃない。
……問題なのは。
『……また？ しかも、同期のやつも一緒かもしれないって？』
電話で聞いてみると、やっぱり不機嫌になった。
｢うん。だから翼に相談をしてからにしようと思って｣
『それいつ？』
｢まだ決めてないよ｣
電話の向こうで手帳を開く音がする。
『じゃあ、明後日の夕方以降。事務所に連れてきて』
｢え、事務所？｣
『男ふたりと会われるよりいいから』
｢……いいの？｣
『杏と冬谷には言っとくから』
声は少し素っ気ない感じ。
でも、守ってくれているようでちょっと嬉しい。
｢分かった。泉さんに会うの久しぶりだから楽しみ｣
『会いたがってたよ。ところで結華、次いつが休み？』
手帳がないから曖昧な記憶を引き出す。
｢明明後日、かな｣
『了解。予定入れるなよ。出かけるから』
驚いて一瞬、言葉を無くしたところで翼の周りが騒がしくなった。
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