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約束の日。
仕事が終わった私と和希は嵐さんと待ち合わせのカフェにいた。
顔を合わせてから、和希にしては口数が少ない。
「今日は止めとく?」
「なんで?」
「……なんとなく」
普通に答えてるんだろうけど、なんか怖い。
「そういや、なんで嵐と会うことになったんだ?」
よく知らないのに、行くと言った和希もどうかと思う。
嵐さんが絡むと、余裕がなくなるというか和希じゃないみたい。
「前に嵐さんの昔話聞いてね。グダグダな奴に説教したら少しは心入れ換えてくれるかなと思って。今日は決意発表みたいなもんかな」
「……そう」
「私は和希にも聞いてほしい。嵐さんがどう思っていたのか、これからどうするのか」
「なんで俺が?」
ふたりとも無意識に意識していることに気づいていない。
以外と、似た者同士なのかも。
「嵐さんは私の付き添いで和希が来ると思ってるんだけど」
「実際そうだよ」
「とにかく! ちゃんと聞いてあげて」
「……なんで、結華がそこまで言うんだよ」
付き合いが長い和希。
数回しか会っていない私。
お節介って分かっても、なんとかしたいから出来ることをやりたい。
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