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「ちょっと結華チャンお借りしますね」
杏さんに連れられ、部屋を出た。
意味があると言っていたが、やっぱり分からない。
「結華チャンいいこと教えてあげる」
「いいこと?」
「コレよコレ」
杏さんが回収した私たちが色をつけた三枚の用紙。
円の大きさも塗った色もバラバラ。
私にはただの落書きにしか見えない。
「カラーの季節に性質があったのを覚えてる?」
少しずつ記憶を手繰り寄せる。
「印象的な部分しか覚えてないんですけど」
「充分よ。ベストカラーのポイントは、元々その人が持っているもの。結華チャンがピンクだったのは、女の子の可愛らしい部分があるから」
あの日以来、小物や洋服に靴を見るときはピンクがあるかどうか見るようになった。
「それに、ピンクって印象聞いたら女の子らしいって思うじゃない?」
だから、今まで嫌ってたんだよね。
「コレもそれに近いの。それぞれの色にはちゃんと意味がある。それを結華チャンに特別に教えてあげる」
「いいんですか?」
というか、私に理解できるか不安だった。
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