2834人が本棚に入れています
本棚に追加
「結華チャンだからよ。コレを今日活かしてほしいの」
「あのふたりに、ですか?」
「えぇ。自分の気持ちを誤魔化そうとしても、カラーの前じゃ形無しよ」
なんか、私より杏さんのほうが楽しそう。
それに、何故今なんだろう。
「あのね、翼に頼まれたのよ。困ってたら助けてやってくれって。自信をなくしているみたいだからって」
ハッと杏さんを見ると、優しく微笑んだ。
「来てからずっと、顔が沈んでる」
「……すみません」
「ヤダ、落ち込まないで。私は結華チャンの手助けがしたいの。コレで大体のことはわかるけど、私はあのふたりを知らない。私があのふたりの現状を言ったって『違います』って言われたらそれで終わりなの」
意外と頑固なふたり。
和希は占いを信じるタイプじゃない。
嵐さんも笑ってスルーしそう。
「坂井さんも黒川さんも結華チャンに背中を押してほしいって、きっと思ってる」
どうして、そんな嬉しいことばっかり言ってくれるんだろう。
「泣くのは全部終わってから嬉し泣きがいいな」
杏さんの手が頬を包む。
「大丈夫よ」
その一言に覚悟を決めた。
「コレ、教えてください!」
最初のコメントを投稿しよう!