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「お待たせ」 「ごめんなさいね」 「いや、ところでさっきのって」 「それは私じゃなくて結華チャンから説明しますね」 「結華が?」 「へー面白そう」 付け焼き刃だから、分かりやすく説明できるか自信はないけど、 『うまくやろうなんて考えなくていいわ。結華チャンが結華チャンの言葉で坂井さんと黒川さんにコレのことを教えてあげるの』 あえて『説明』じゃなくて『教えてあげる』と言われ気が楽になった。 『例えば、美味しいケーキ屋さんを結華チャンが知ってるとして。場所を教えてほしいと言われたら教えてあげるでしょう? それと同じことよ』 「まずは、立花さんの仕事だけど、カラーナリストなのね」 「カラーコーディネーターとは違うのか?」 「カラーコーディネーターの仕事がどんなものか知らないけど、カラーではその人が元々持っている性質を診断して、より自分を知ることができるんだ」 明らかに分からんと顔に書いてある。 「診断は機会があったらやってみるといいよ。新しい発見があるから」 「要予約なので早いほうがいいですよ」 しっかり営業していくところはちゃっかりしている。
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