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「……尚樹に聞いたのか?」
「何を?」
「……いや、いい」
「賭け? なんで尚樹と?」
「坂井さん」
杏さんは名前を呼んだだけ。
でも、偽ることは許さないとその瞳が語っている。
「確かに、この賭けをしてから上のお偉いさんからいい話はきてるよ」
「マジでか!?」
「賭けの内容は言うつもりはない」
「約束をやぶることにはならないので大丈夫です」
嵐さんは聞けなくてガッカリしたようだった。
「で、嵐と結華は?」
「えっと、赤と朱。イメージしやすいと思う」
「情熱とか?」
「うん。つまりやる気がある。前向きってこと。ここに嵐さんがいるのもそのひとつだしね」
「そっか」
ふざけたように笑うのではなく、照れたようにちょっと嬉しそうに笑った。
「次はここ」
「和希は緑。俺はグレー。ユイカちゃんはオレンジだね」
「ここは、周りに対する気持ち。外に向けて表現してるよ」
「グレーとか良くなさそうだな」
「それは受けとる人次第ね」
「緑はイメージとしては森とか自然だよね。癒しの色だからちょっと疲れ気味、かな。癒されたいって思ってる?」
「……まぁ」
さっきよりは驚いた表情になった。
当たっているのが悔しそう。
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