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「二回目にユイカちゃんと会ったときに和希と尚樹との距離感はなんとなく分かった。尚樹はともかく、和希とは遠くない。近くにいる大事な存在だと」 あの日が蘇る。 『友達』じゃない『ライバル』だって言ってた。 「彼女じゃないなら、大事な存在を奪ってやろうと思ったんだよ」 近づいた目的よりも、静かに淡々と話す嵐さんが別人のようで、そっちのほうに声が出なかった。 「ユイカちゃんは覚えてるかな。裏切りたくない大切な人がいるって言ったの」 本当は関わらないほうがいいんだと思った。 だって、全然私を見ていなかったから。 「今までにない断り文句だった。まぁ彼氏がいても別にどうでも良かったしね」 溢れてくる冷たい言葉。 かすかに、温度が上がっていく。 「その後に言われたことには動揺しちゃったけど」 和希が目で教えろって訴えている。 「……嵐さんにも大切な人がいるでしょうって」 「誘った女からそんなこと言われるとはね」 思い出したのか少し笑って肩を竦めた。 「食事はまさか来るとは思わなかった。少なくとも警戒されてたし、和希たちから散々俺のこと言われただろうから」 それはもちろん。 和希には近づくなとも言われた。
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