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｢話せば話すほど、なんて真っ直ぐな子なんだろうって思った。適当に話して甘いことでも言えば落ちるだろうって考えてたから｣
和希が眉を寄せたが、遮ることはしなかった。
｢フツーに素で話しちゃうし、あいつのことも話すつもりなんてなかった｣
嵐さんが好きな人。
認めてほしい人。
傍にいたいと、願う人。
｢ユイカちゃんは彼氏のノロケ言うわ、彼氏には会うわでホント、奪うどころか見せつけてくれちゃって｣
そんなつもり全くなかった。
ただ、今の私がいるのは翼のおかげだって伝えたかっただけ。
｢だから、小さいこと考えてた自分が情けなくなった。ちゃんとした友人になりたくて、ユイカちゃんに全部話そうって決めたんだ｣
吹っ切ったように笑うのは私の知っている嵐さんだった。
｢……結華のことは分かった。次は俺の質問に答えてもらおうか？｣
ずっと沈黙を守ってきた和希が、怒りを抑えたように低い声で嵐さんを見ていた。
｢……どーぞ｣
｢なんで、俺だった？｣
｢逆恨み｣
｢え？｣
思わず声が出てしまった。
｢全部話すって言ったじゃん｣
確かに言ってくれた。
でも、本当にこんなにハッキリと和希を前にして言うと思わなかった。
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