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「和希の言ったように女の子と楽しくやってたよ。名前も知らない女とヤったことあったし」
笑っているのに、瞳に光がない。
「……妊娠させたりした」
「……え?」
偽ることは、許さない。
言ってしまった言葉をなくすことは出来ない。
「ユイカちゃん、これが俺の罪」
聞き間違えじゃ、ない。
「バカとは聞いてたが、これ程とは思わなかったな」
凍てついてしまうぐらい、冷たい瞳。
「……どれだけ周りを傷つけたら満足なんだ?」
違うよ。
嵐さんはずっとずっと、たったひとりを想ってきた。
「嵐の気まぐれに俺を、結華を巻き込むなよ!」
「――違う!!」
まだ、言い足りたりない。
本当にふたりとも。
「……和希も嵐さんも、バカー!!」
久しぶりに叫んだ。
「ユイカちゃん?」
「結華?」
嵐さんも和希も驚いて目を丸くしている。
「そりゃ、嵐さんは大バカだけど傷つけたいわけじゃない! ずっと想ってたって無理に忘れることもない! 巻き込まれてなんてない! だって、ちゃんと話してくれたもん!」
自分でも何言っているか分からない。
でも、言わずにいられなかった。
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