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居酒屋に入り、みんなが待っているだろう席へ案内された。
「……帰るか?」
「……いや、でも」
すでにでき上がっていた。
「あーもーふたりとも遅いわよ!」
「そーですよ先生!」
「ゆいかー! お疲れー!」
女性陣を中心に。
嵐さんは杏さんに絡まれながらも、なんだかかなりのハイペースでビールを飲み干している。
和希はあんまり飲まないようにしてるみたいだけど、泉さんと梓の勢いに負けそうだ。
中野君は何故か寝ている。
「……全く」
翼は杏さんと嵐さんの席の近くに座った。
「結華はこっち!」
私は梓に引っ張られ、泉さんの隣に座った。
「結華ちゃん何飲む?」
おしぼりで手を拭きながら泉さんが持ったメニューを見る。
杏さんたちと飲んで、今のところ惨敗しているし明日のことを考えたら抑えたほうが良さそうだ。
「じゃあ、カシスオレンジで」
「結華ちゃーん。来るの遅かったけど、榊原さんと何してたのよ?」
注文を言い終えると、すかさず梓から質問が飛んできた。
「ちょっと話してただけだよ」
「結華」
和希がグラスを持って近くにきた。
「俺、適当に様子見て帰るから」
周りの騒がしさで、和希の小声は私だけの耳に入ってると思った。
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