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ついこの間まで、飲みに行くのは梓や和希ぐらいで。
ついでとはいえ、苦手に思った中野君がいて。
名前どころか全然関わりがなかった翼や杏さんに泉さん。
和希と中野君を通じて嵐さんにも出会えて、みんなが私の周りにいてくれる。
「ちょっと、尚樹! 乾杯するから起きなさいよ!」
「……うっさい」
中野君ってもしかして、酒弱いのか。
ちょっと意外。
梓は何気に名前で呼んでるし仲良くしてるようだ。
「ほら坂井。まだ飲めるでしょ?」
「飲みますから! 自分のペースで飲ませてください!」
「黒川さん、どうぞ」
「どーも」
いつの間にか広がった縁。
「結華、はい」
「ありがとう」
グラスを持つと、杏さんが全員と目を合わせた。
「初対面だろうと久しぶりの再会だろうと、毎日顔合わせていようが私たちは今日から友達です。カンパーイ!」
「乾杯ー!!」
いつぶりだろう。
仕事の愚痴でも、人間関係の鬱陶しさを語る飲み会じゃないのは。
人との繋がりを嬉しく思って、これからのことを思うとドキドキする。
「すみませーん。同じのお願いします」
「あ、杏さん。私と泉さんと結華の分もお願いします」
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