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今度は翼に起こされ、言われた通りルームウェアのまま朝食をいただいた。 「ねぇ、今日どこ行くの?」 「まだ内緒」 「もういいじゃん」 「ダメ」 頬を膨らませても、翼は笑うだけでやっぱり教えてくれない。 朝食の片付けが終わり、翼がようやく動く。 「結華、コレに着替えてきて」 渡されたのはどこかのショップの袋。 中に入っていたのは勿論、洋服なんだけど。 「……コレ?」 「うん」 「ムリ」 「着ないと出かけないよ?」 「……自分の服あるし」 「今日はそれじゃないとダメ」 「なんで?」 翼は忙しく、何か他にも準備をしながら答える。 「今日は特別だから」 「……分かったよ」 袋を持って寝室に戻って渡された洋服を広げた。 以前、翼に買わされたワンピースよりも可愛らしいデザイン。 色はコーラルピンクと控えめだが、私がこんなの着て大丈夫かと頭を抱えてしまう。 しばらく洋服とにらめっこしていたが、扉をノックする音と若干痺れをきらした翼の声。 「結華、早く着ろ」 簡単に言ってくれる。 覚悟を決めて、ワンピースを手に取った。 すぐに着替え終わった。 「やっぱり恥ずかしい!」 鏡を見て叫ぶと、寝室の扉がバンッと開いた。
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