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「また来るよ。みんなによろしく言っといて」
「分かりました。今度は杏と泉ちゃんもご一緒に」
「あぁ、伝えとくよ」
「また会えるのを楽しみにしていますね。結華さん」
手を差し出され、迷わずその手を取った。
「私もです」
「あ、別に翼さんと一緒じゃなくても、お電話いただけたら大丈夫なんで、いつでも来てください」
「え、いいんですか!?」
「勿論。もっと結華さんと仲良くなりたいですから。大歓迎です」
翼を通して知り合ったから、私が個人的に会ったりするにはあつかましいと思っていた。
「嬉しいです。絶対また来ますね!」
私がはしゃぐ中で、翼だけはなんだか複雑そうに笑っていた。
「行くか」
「うん。本当にありがとうございました。真由美さんにも伝えてください」
「必ず伝えますね。気をつけて」
ビルを出て、改めて見上げるとやっぱり大きくて。
「……みんな、キラキラしてる」
私が知らないだけで、ツライこともたくさんあるはず。
自信や誇りを持ち、私には眩しいぐらいに感じる。
「また、来ような」
手を繋いで、ふたりで見上げた大きなビル。
ビルを引き立たせる空がキレイ。
いつもと同じな空も、今日は倍以上にキレイに思えた。
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