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「結華、なんか楽しそうね」
「そうかな?」
梓とランチ。
何も言っていないのに、梓が確信めいた顔をして聞いてきた。
「うん。なんていうか」
梓が言い終わる前に、久しぶりに聞く声が遮った。
「ユイカちゃーん!」
「……私?」
外に出ていたから、声の主が見つからない。
「あっち」
指差されたほうを見ると、嵐さんと和希に中野君が揃ってこちらに向かっていた。
「なんでみんな一緒なの?」
あとは飲み物だけだったので、席を移動した。
「仕事でユイカちゃんたちの会社に行ってたんだ」
嵐さんのあとを和希が引き継ぎ、
「俺と尚樹で飯行こうとしたら」
中野君が締めた。
「捕まった」
「いいだろ! 俺だけみんなと毎日会えるわけじゃないんだからさ」
確かに、嵐さんとはあの日に飲みに行った以来。
たまにメールがきたりしているけど、毎日会っている梓たちと比べたら久しぶりに感じる。
「頑張ってるね」
メールで教えてくれた。
泉さんと飲みに行ったこと。
「これから、だからね」
私が何を言いたいかを察して、そう呟いた。
「あ、みんなにちょっと報告したいことあるんだ」
嵐さんの言葉で思いだし、みんな揃っているから丁度良いと思う。
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