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｢お待たせ。翼さんの機嫌はどうですか？｣
｢……今がピークかも｣
｢それも明日までの辛抱ですね｣
立ち上がり、私たちは部屋をあとにした。
｢……最近、結華が冷たいんだ｣
｢先生。一応ここ職場ですよ？｣
｢泊まるかと思えば電話が終わったら急に帰ったし、次の日から電話に出ない。メールの返信も遅い｣
｢……疲れてたんじゃないですか？｣
｢だったら泊まればいいだろ？｣
｢じゃあ答えは簡単です。先生にムカついたから。ってことで、早くコレ運んでください｣
｢なんで俺なんだ？｣
｢知りませんよ。怒らせることしたんでしょ｣
｢……心当たりが全くない｣
｢サイテー｣
｢うるさいぞ。ところで、杏は？｣
｢とっくに来て自分の仕事の分は終わらせてます。隣の部屋で打ち合わせ中です｣
｢なんのだ？｣
｢すぐ分かります｣
｢おはよー。あのね翼。前からメイク教室みたいなのやってみたいって言ってたじゃない？｣
｢あぁ。でも、杏がひとりで指導するにも限度があるから保留にしてたやつだろ？｣
｢ふたりぐらいなら大丈夫だと思って。技術を伝えて私をサポートしてもらおうと思ってるの｣
｢別にいいけど、いつからやるんだ？｣
｢今日からよ｣
｢はぁ!?｣
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