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「あのな! 一言俺に言えよ」
「大丈夫よ。知らない仲じゃないから」
「……誰だ?」
「紹介するからふたりとも入ってきて」
ドアを開ければ、目を見開いてこちらを凝視する翼。
泉さんは当然知っていた。
「神白結華さんと相模梓さん。しばらくはこのふたりに付くから」
「改めまして、よろしくお願いします」
「急にお願いしたのにありがとうございました。よろしくお願いします」
ふたり揃って頭を下げると、杏さんと泉さんが歓迎を込めて拍手をした。
「こっちこそよろしくね!」
「泉チャン、今日は肌について教えるからホワイトボード借りるわね」
「了解です」
「ちょっと待った!!」
いきなり翼が叫んだ。
混乱しているのが分かる。
だけど、敢えて引き延ばす。
「何よ翼。今更、中止なんてしないわよ?」
「……いや、それはいい。俺が聞きたいのは、なんで俺だけ知らないんだよ!?」
驚きを越えて逆ギレされてしまった。
「仕返し、だって」
梓が楽しそうに翼に言った。
「仕返し?」
「翼、あんた肝心なこと結華チャンに言わなかったでしょ?」
「……いつ?」
翼に向き合い、半ば睨むように見上げる。
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