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「梓こそ上城君ほったらかしてていいわけ?」 「彼が行ってこいって言ったの。相思相愛だから心配ないわよ」 あぁと納得した。 彼は顔が良くて爽やかな営業マン。おまけに優しくて仕事もできるという梓情報。 あんまり話したことはないけど、なんでも驚きなのが梓からではなく、彼からのアプローチで付き合うようになったとか。 「なんで付き合うってなったの?」 そういえば、珍しいことにお喋りの梓から経緯をきいていない。 「結華に彼氏ができたら教えてあげる」 「……当分聞けないじゃない」 「そうかもしれないし、案外明日には素敵な出会いがあるかもしれないでしょう?」 「ハイハイ」 世の中そんなに甘くない。 これが、私のこの何年間で刻まれた言葉だ。 友達が次々と結婚していく中で、おめでとうと言いながら、何処かでこれから大変だなと冷めてしまう自分がいる。 「明日休みでしょう? 気晴らしにどっか行ってくれば?」 飲みに行った翌日は、大抵昼間まで寝てるパターンが多い。 明日は買い物でも行くかと決めて、ビールを飲んだ。
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