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相談できるのが梓で良かった。 甘えてしまっているってわかっていても、溜め込んでいるとそれはそれで結局怒られる。 「ありがとう」 「いいのよ。何も言わずに抱え込まれるほうが心配だもん」 何本目か分からない缶がまた増えた。 「泊まるでしょう?」 「そのつもり。お風呂かりていい?」 「どーぞ」 慣れた足取りで向かい、梓が色々準備している間に片付けや布団の準備。 携帯に着信あり。 マナーモードだったから気づかなかった。 一応、かけなおす。 「もしもし」 「すみません。気づかなくて」 「いや、どうしてるか気になって。遅くにゴメン。」 特に急な用事はなさそう。 「別に平気です。何かありました?」 電話するのは初めてかけたのと、待ち合わせをした時以来だから少し苦手。 顔が見えないぶん、彼がどう考えているか余計に分からない上に電話越しにきく低い声。 「ん。次はいつ来てくれるかなと思って。迎えに行きたいしまた出かけたいところだけど、仕事もあるしな」 「そうですね」 杏さんたちとの約束もある。 カバンから手帳を取り出して予定を確認すると、夜か来週の休みぐらいしか空いてない。 それを伝えると、 「結華が夜でもいいならいつでもおいで。杏や冬谷も喜ぶ」 夜は意外に空いてるらしい。 「あの」 「ん?」 「今度行く時に友達連れていっていいですか?」 「女の子?」 「……そうですけど?」 なんだろう。 なんかイラッとした。
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