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ウトウトと意識が曖昧になってきたころに、タイミング良く振動した携帯にハッとした。
寝てしまうところだった。
「メール?」
確かめると梓から。
「もしもし?」
「あ、結華? さっき坂井君に会ってね。今度飲みに行こうってなったから」
「いいけど、それだけ?」
「ついでにあんたの連絡先教えといたから、もう少ししたらメールか電話あると思うわ」
「は? なに勝手なことして」
「んじゃまたね~」
「ちょっと梓!?」
言いたいことだけ言って切られてしまった。
静かな空間に響いたであろう私の声。
申し訳なく、荷物をまとめて会計して外に出た。
「梓のやつ」
せっかくのティータイムが台無しだ。
しかも、なんで坂井君に?
会社でも会うし用事なら会社のパソコンで充分だと思ったから教える必要もないと思ったけど。
「まぁいっか」
どうせ、たまにある連絡ぐらいだろう。
女同士でもそんなもんだ。男友達ならもっと少ないはず。
「よし!」
気分を入れ換えて歩き出す。
坂井君には悪いけど、せっかくの休みにまで余計なことは考えたくはない。
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