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皮肉を込めた結城の言葉に宮洲は何も答えず、そのまま吸い込むように口を開けている獣道に入っていった。
結城もくっつくようにして後に続く。
地面と呼べる地面はほぼ無く、うねるように盛り上がる木の根の上を、飛び移るようにして2人は進んでいく。
くもの巣に捕らえられたように枝の上に積もる枯葉のせいで、月明かりすら届かず、そのままだと自分の手のひらすら見えない。
宮洲の持っている小さな懐中電灯のひ弱な光だけが頼りだった。
歩きやすい場所を選択しながら、曲がりくねった道を進む。
結城の能力が無ければとっくに迷っているところだ。
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