一章

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他人事だと思って…と結城は机に頬杖をついた。 おそらく結城の顔はひきつっているだろう。 もうこのまま学校爆発しねぇかな。 物騒なことを半分本気で考えながら、カバンから四本入りのブロック型ビスケットを探す。 と、ガサゴソやってる結城の目の前にヌッとおにぎりが現れた。 「結城君またお昼ご飯カロリンメイトですか」 おにぎりから伸びている腕を辿ると、隣の席の富田創太(とみたそうた)に行き着いた。 「不健康の鑑ですよね。結城君って」 もう片方の手にもあるおにぎりをモグモグしながら富田は喋る。 「創太は健康的に食ってもちっちゃいままだけどな」 「な"!」 富田は、もう一口かじりつこうと大口を開けたところで固まった。
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