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社長は辺りを見回すが、男の姿は無い。
遠くに行き交う車の音が聞こえるだけの、いつもの帰り道だ。
何だったのだろう、と社長は手に残る宝箱を見て首を傾げる。
今日は誕生日でも無ければ結婚記念日でも無い。
今日の商談の成功記念だろうか?
とすれば秘書からのプレゼント?
見当がつかないがとりあえず中身を確認しよう。
社長は留め金を取り、箱を開けた。
指輪か、宝石か?
そんな社長の淡い期待とは裏腹に、箱を開けた途端に白い煙が社長を包み込む。
「………!」
驚きの声を上げる間も無く、社長はその場に崩れ落ちた。
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