一章

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どうしてこんなことになった…。 結城和馬(ゆうきかずま)は目覚まし時計を見て溜め息をついた。 8時45分。 設定した時刻を1時間45分過ぎている。 『結城、お前次遅刻したらアレだから』 腕組した担任の仁王立ちする姿を思い出す。 アレってどれだ…。 心当たりが多すぎて結城は泣きそうになる。 「今日は…うん。どことなく腹が痛い気がするな!もう休もう」 声に出して自分に言い聞かせながら布団にもぐる。 病は気から。強く念じていればきっと腹も痛くなってくれるはず。 ピリリリリ そんな願いを打ち砕くように、枕もとの携帯電話が鳴った。
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