一章

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「あの~お腹が痛くてですね……」 『……まだ家なの?』 「いや…お腹が痛いので今日は休もうかと…」 『まだ家なのね?』 「…………」 もはや仮病がバレているバレていないの問題ではない。 仮病に飽きられている。 そういえば先週もお腹が痛くなっていた気がする。 先々週も、その前も。 『とにかく!武山は説得しておいてあげるから早く来い!休んだら……あ、武山せんせ』 ブチッ 唐突に通話が途切れ、ツーツーという電子音が聞こえてくる。 結城はしばらくその音を聞いていたが、我に帰りベッドから飛び降りた。
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